INTERVIEW.02
福田渓樹さん Keijyu Fukuda
#ジビエ #川釣り #きのこ採り #ウイスキー
「ウイスキーとジビエのマリアージュを極めていきたいです」
山暮らしの楽しさを思い出して信州へ
小学校3年生までは新潟県妙高市で育ちました。その後、家族と長崎県大村市へ。長崎にいた頃は海釣りをしたり、海にもぐって魚をモリで突いて獲ったりしていました。海が身近にある生活でした。高校3年になって大学を決めるときに、幼少期に過ごした妙高市での暮らしを思い出しました。山仕事に向かう父親についていき、炭窯の周りで虫を取ったり、きのこ採りをしたり、冬には家族で山スキーをした思い出がよみがえり、もう一度山の近くで暮らしたいと、信州大学への進学を決めました。大学では農学部で森林科学を専攻。1年生のときには松本キャンパスに通うために松本市に住み、2年生からは伊那キャンパスになったので伊那市に引っ越しました。
大学3年生でジビエ居酒屋の店主に
1年の時にわな猟の狩猟免許を取得しました。そのときに初めて自分で調理した鹿肉を食べたのですが、これがおいしくなくて...。その後も調理の仕方を変えてみましたが、おいしいとは言えませんでした。そこでバイト代を貯めて、この店で食べてみてダメなら鹿肉を諦めようと、評判のジビエ料理の店にコース料理を食べに行ったんです。次々に出てくる料理のどれもがおいしくて感動! その日に、店で働かせてくださいとお願いしました。
その店では、山の食材に対してのさまざまな調理法を学びました。そしてジビエ料理の奥深さにどんどんハマっていきました。大学3年生の時には伊那市駅近くのチャレンジショップ内に、「学生にもジビエをおいしく安く提供した
い」とジビエ居酒屋「きくちゃん」を開きました。低温調理した鹿のもも肉を和風のタレに1日漬け込み、その時期の香草と一緒に出したり、猪肉を使った水餃子を猪の白湯スープで提供したりしていました。20名ほどの席は、ほぼ予
約でいっぱいになることが多かったです。水曜日限定のお店はコロナ渦の影響もあり、1年半ほどの営業になりましたが、いろいろな人が来てくれてうれしかったです。
食に関わる仕事をしていきたい
大学在学中にウイスキーのおいしさに魅せられ、卒業後は本坊酒造に就職しました。大好きなウイスキーの製造に携わることができ、毎日が本当に楽しいです。今はろ過やブレンドの工程で働いています。うちの会社のシングルモルトは本当においしいですよ! 多くの人にウイスキーを食中酒として楽しんでもらえたら、うれしいですね。
社会人になってから銃の狩猟免許も取りました。狩猟の期間中は、鹿肉が冷凍庫にたくさんストックしてあるので、他の肉を買うことはありません。あっ、鶏肉だけは好きなので、買っちゃいますが(笑)。大学時代の仲間と春に
は山菜、秋にはきのこも収穫するので、ジビエ料理の付け合わせやソースに使うなど幅が広がっています。渓流釣りもします。伊那谷の自然からの恵みには本当に感謝ですね。
将来は、大好きなウイスキーとジビエ料理に関わる仕事をしていきたいです。料理に合わせて、ウイスキーの種類やその飲み方(ストレートやハイボールなど)を踏まえたマリアージュを提案し、食中酒としてのウイスキーを広めていきたいと思っています。
福田渓樹さん Keijyu Fukuda
信州大学農学部・森林コースを卒業し、現在はウイスキーの製造会社に勤務している福田渓樹さん。休みの日には、春は山菜、夏は渓流釣り、秋は茸狩り、冬は狩猟と、年中山遊びにあけくれています。
調理も好きで、とってきた収穫を調理し、友人や職場の同僚に振る舞ったり、自身が製造に携わったウイスキーに合わせて楽しんだりしています。
@yamaniku_kikuchanr 料理アカウントはこちら